こんな教養の無い僕にも教師に憧れた時期が一瞬だけあったんだけど、それは間違いなく今作の影響によるものです。
二度の実写ドラマ化という実績が物語っているように「教師モノのドラマと言えば?」という質問をぶつければ、幅広い年齢層において鬼塚英吉のGTOを挙げる人が多いのでは?(僕の親の世代だと金八先生とかスクールウォーズとか熱中時代とかになるのかな)
ちょっと過激で、あまり褒められた行動ばかりではないけど、それゆえに熱い!というわけで今回は、世紀末教師伝説「GTO(全25巻完結済み)」を紹介します。
GTO あらすじ
目指すはグレート! 激走、世紀末教師伝説!! ――優羅志亜(ユーラシア)大学4年の鬼塚英吉(おにづか・えいきち)は、かつて湘南で暴れまくっていた元ヤンキー。グレートな男になるため、高校を中退し東京に出てきて6年、就職活動は全滅……! やさぐれモードの鬼塚が心機一転目指したのは、なんと教師!
GTOの見所をチェック!!
教師×ヤンキーの夢のコラボ
冒頭でも少し触れたように「熱血教師モノと言えば?」という質問に対しては、年齢層が大きく関係してくるのではないかと思います。しかしながら教師のイメージとは相反するヤンキーを題材にしたのは、間違いなくGTOが成功するキッカケになったと言えるでしょう。同様に「ごくせん」なんかもこれと同じようなメリットを得ているはず。
元々、教師という存在に対して恐らく疎ましいという感情を持っていたド不良が、それになるという展開は非常にドキドキしたものです。個人的には「過去に悪いことをしたことがあって、反省しているという人の方が教育には適しているのではないか?」と思う部分もあるんだけど、まぁこれには賛否両論ありそうだよね。
いずれにしても「漫画やドラマだから許される描写」が数々登場し、それらのほとんどは主人公の鬼塚英吉が元ヤンキーであることの影響を受けたもの。素行の悪い生徒を暴力で服従させる…なんてのは現実にはあり得ない話だけど、漫画で楽しむ分にはめちゃくちゃ熱いです。
ドキッとするJCのエロいシーンも多々
「未成年と教師がみだらな行為を…」みたいなニュースが定期的に流れてくるのを見ていると、「こんなのは氷山の一角で、実際にはめちゃくちゃ多いんだろうなぁ」ということは想像に容易いわけで。
卒業間近の18歳と真剣な交際をしていて…という展開だとちょっと気の毒に感じる部分はあるけど、条例で年齢に線引きがある以上はまぁ仕方ない部分もあると思います。
とは言っても大学卒業直後に新任教師になった男性教師の中に、その類の妄想を1mmもしたことがないという人はほとんどいないんじゃないだろうか。もちろんそれが全てではないだろうけど。
というわけで、ちょっと擦れた女子中学生とヤンキー教師の「一線を越えるか、それとも越えないのか!?」みたいな部分は非常に見応えがあります。主人公が20代前半で童貞だという部分も含めて、ちょっとエロい展開もドキドキできる要素です。
少しずつ問題のクラスがまとまっていく様子
GTOというのは、早い話が「問題児ばかりを抱えているクラスの問題解決のために採用された鬼塚が、果たしてこの問題を解決できるかどうか」という物語です。
クラス全員が敵という状況から始まり、生徒が1人ずつ「鬼塚のことは信頼してもいいのでは?」と思い始めるという流れになってます。これがジャンプシステムみたいな感じで熱い!(まぁGTO自体はジャンプじゃなくてマガジンだけど)
ピッコロと戦う頃にはヤムチャや天津飯が仲間になっていて、ラディッツと戦う頃にはピッコロが仲間になっていて…。こんな感じで「昨日の敵は今日の友」みたいな感じになる展開が、熱くないわけがないです。
もちろん簡単に仲間に取り込める生徒もいれば、一癖も二癖もある生徒もいるし、最後の最後まで心を開かないような感じの生徒や教師も。そういう人物に対する接し方なんかも、読者の感情を揺さぶってくるものに溢れています。
GTO コミックス全25巻を読んだ感想・レビュー
ちょうどGTOが流行り始めた時期って、教師が生徒に手を挙げるってことが少しずつ問題視されてきた頃だったと記憶しています。この辺りから徐々に「先生の暴力はすぐに教育委員会へ」というような感じで、それを逆手に取る生徒も出てきたとか何とか。ドラマ化も2回されていて僕は新しい方は観てないんだけど、今の時代だと「漫画と同じ内容でドラマ化するのも難しいんじゃないかな?」と思うくらい内容が過激です。
漫画に関しては「クラスの問題児が出てくる→鬼塚がその問題を解決する→生徒が鬼塚を慕うようになる」という、いわばワンパターンな展開。でも生徒それぞれの問題にも大小があったり、個性もそれぞれで見応えがあると思います。舞台が中学校なのに「こいつ絶対中学生じゃねーし!」っていう奴が出てきたりもして、そういう部分に冷静に突っ込むのも「良い意味で馬鹿らしい」と感じられる作風かと。
個人的には「現実にはあり得ないけど、良い方向に転がるんであればこんな先生がいたら面白いだろうなぁ」という感じで好意的に取れたので、教師モノとしては最高峰の漫画だと思ってます。逆にモンスターペアレント属性の人だと腹が立って終わりかも。まぁこんな教師が実際にいたら、僕もモンスターペアレントになる可能性大ですが(というかその場合はモンスターなのか?)。
サイドストーリー「GTO SHONAN 14DAYS」
本作の19巻~20巻の間に空白の14日間があります。本編連載時から構想にあったというよりは、後付けで作られたエピソードなんじゃないかって思うんだけど、こっちは病院を抜け出して児童養護施設に行っていた日々を描いた作品です。
全9巻で読みやすいボリュームだし、GTOの続編が読めるという意味ではファンにはたまらないんじゃないかと思います。こっちは明らかに親に問題があるパターンが多く、親による虐待なんかが問題になっているので本編よりもヘビーな部分が少なくありません。
なのに個人的にはちょっと物足りなさを感じてしまったんだけど、GTO本編が好きな読者にとって「空白の14日間」なんて言われたら読むしかないでしょ。というわけで気になっている人はこちらもチェックしてみてください。
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あとがき
イニシャルがOの人はイジられるまでがデフォ。